〈1〉圭介と美由紀のあたたかいセックス。
黄色い玉が現れたことで、いつになく美由紀はやすらかな表情をしている。
〈2〉色とりどりのビー玉が入ったガラス瓶。
〈3〉子宝ロダンの家の2階、リビング。
殺風景。
窓からは桜の巨木が見えている。
季節は秋なので花はなく全体が豊かな緑に覆われている。
リビングの真ん中に椅子があり、そこに座る子宝ロダン。
色のない(灰色の)作務衣の上下。
〈4〉海渡佳奈子
ショートカットの美しい女。
シリーズを通して、ロダンの面倒をみる女として登場する。
あるときは姉、あるときは母、そしてあるときは妻、かもしれない。
あやしい美しさと気品。あらゆるストーリーを背景にして穢れがない。
〈5〉子宝ロダンと海渡一家が住む家
〈6〉藤森洋服店にやってきたスタイリストの卵・田中ヒロミ
〈7〉美由紀
おなかに赤ちゃんがいることで強くなったり
不安になったりしている。
〈8〉横路伊久男
熱帯植物園のような部屋で、王様のようにソファに沈む巨漢。
マツコ・デラックスのようであり、ジャバ・ザ・ハットのようであり……。
〈9〉横路伊久男の部屋
まるで熱帯植物園のような都営アパートの一室。
植物を中心に。
〈10〉ビー玉
ビー玉を覗くと色のついた羽が見える。
ビー玉は、時空を超える。
「手放しの玉」を捨ててしばらくすると、
どこかからまた、現れる。
また捨てると、何年後かにべつの場所にまた現れる。
それは、ビー玉が動いたのではなく、
ビー玉は止まったまま、時空が動いたということ。
〈11〉小笠原弁護士
アル中気味の老人。
やせてヨタヨタしている。